Appleの【AirPods Pro】とSONYの【WF-1000XM3】。両方とも3ヶ月使ってきたうえで正直にガチンコ比較しました。ノイズキャンセリングや音質、装着感を含めどちらがおすすめなのかをお伝えします。
先に言っておくと、AirPods ProもWF-1000XM3もどちらも優秀で気に入っています。双方ともデザイン性がよく音質も申し分ありません。なによりノイズキャンセリング機能が優秀でノイズをきれいに消してくれるのが魅力的です。
とはいえ、AirPods ProとWF-1000XM3を比較したときには、やっぱり得手不得手は分かれてきます。AirPods Proがいいという人もいるでしょうし、WF-1000XM3のほうが魅力的だという人もいるでしょう。
本記事では完全ワイヤレスイヤホンの覇権を握るAirPods ProとWF-1000XM3の、どっちを選ぶほうがいいのかという点に着目しながら比較解説していきたいと思います。
AirPods Pro | WF-1000XM3 | |
---|---|---|
サイズ | コンパクト | 大きめ |
連続再生時間 ケース込み |
約4.5時間 約24時間 |
約6時間 約24時間 |
防水規格 | IPX4 | なし |
装着感 | ||
操作性 | ||
ノイズキャンセリング | ||
外音取り込み | ||
カスタマイズ性 | ||
音質 |
結論を一言でお伝えすると、利便性やノイズキャンセリングの性能を重視するならAirPods Proで、音質にいちばんこだわりたいならWF-1000XM3のほうがおすすめです。
【AirPods Pro】と【WF-1000XM3】を項目ごとに比較
それでは各項目ごとで比較していきましょう。
比較1:外観デザイン
デザインはもちろんですが、サイズ感が一目瞭然です。AirPods Proは他メーカーと比べても充電ケースは小さく持ち歩きのしやすいサイズ感となっています。
WF-1000XM3は他メーカーと比べてもトップレベルに大きく厚さもあるのでパンツのポケット等に入れるにはかさばりやすいです。
重ねてみるとひとまわり大きい印象を受けます。
重さは実測でWF-1000XM3は約92gAirPods Proは約56gでした。重さも差はあるものの、重量によるデメリットに関してはあまり感じたことはありません。
イヤホン本体はデザインがまったく異なります。サイズ感で言えばWF-1000XM3のほうが大きいですね。
イヤーピースを装着する部分も形が違います。AirPods ProはApple独自のイヤーピース規格を採用しており、ノズルを差し込むのではなく溝にカチッとはめ込む形になっています。
比較2:バッテリー
AirPods Pro | WF-1000XM3 | |
連続再生時間 (ノイキャンなし) | 最大5時間 | 最大8時間 |
連続再生時間 (ノイキャンあり) | 最大4.5時間 | 最大6時間 |
ケース込みの最大時間 | 24時間 | 24時間 |
急速充電 | 5分間の充電で60分再生可能 | 10分の充電で90分再生可能 |
ケース込みの再生時間は24時間で同等ですが、イヤホン単体の連続再生時間はWF-1000XM3のほうに軍配が上がります。基本的にどちらもノイズキャンセリング機能を使うと考えれば、AirPods Proの4.5時間。WF-1000XM3の6時間で比較するのがいいでしょう。
通勤通学時などに使うのなら、どちらも十分な連続再生時間に対応しているのは間違いありません。しかし、例えば家にこもって作業をするときや、休日にひとりショッピングに出かけるなんてとき、AirPods Proだと途中でバッテリー切れになってしまう可能性は大きいです。
特に家で使う場合はノイズキャンセリングがなくても問題なかったりするので、AirPods Proの5時間とWF-1000XM3の8時間とでは大きな差があることになります。
AirPods Proは心から気に入って普段使いしてるけど、だいたいバッテリー切れに遭遇します。唯一にして最大の弱点だね。
通話にしろ音楽鑑賞にしろ、家で長時間使うことが多いひとにとってはAirPods Proの連続再生時間の短さは結構なストレスになりがちです。
比較3:防水規格
AirPods ProはIPX4。WF-1000XM3は防水規格に対応していません。
防水に関してはAirPods Proの圧勝です。
IPX4なので飛沫や汗に耐えられる程度ではありますが、雨のなか傘をさしていれば安心ですし運動中でも安心して使うことはできます。しかしWF-1000XM3は雨だと故障するリスクを考えなければいけませんし運動で汗水流すこともできません。
個人的にはWF-1000XM3に防水規格があれば最高だったなと感じています。
雨のなか傘をさしていたとしても、濡れたコンクリートに落とす可能性は十分にあるから最低限の防水性能は欲しかったね。
音質を追求したことで削られた規格だと考えれば納得はしますが、やっぱりIPX4レベルは欲しかったですね。
比較4:装着感
装着感は耳のサイズや形状にもよるので個人差がでやすいです。
ただひとつ言えるのは、AirPods ProとWF-1000XM3どちらも装着感を追求した洗練された形状なのは間違いありません。カナル型が合いづらくすぐ痛くなるタイプなのですが、どちらも最高の装着感で長時間つけていられます。
落下のしにくさは安定感はAirPods Proのほうが上だと感じました。インナーイヤータイプの形状で落ちる気配は微塵もありません。
スポーツジムやランニング時にはAirPods Proを使っているけど、全速力で走っても落ちる気配はまったくないよ。
とはいえ、WF-1000XM3も耳の穴にフィットさせて支えるタイプなので装着感はバッチリです。AirPods Proより安定感は劣りますが十分です。すぐ痛くなるタイプの僕でも長時間つけていられる快適性となっています。
どちらにせよ、装着感ばかりは個人差が生まれやすいので参考程度に考えてもらうほうがよさそうです。
比較5:操作性
イヤホンによる操作面ではAirPods Proのほうが上だと感じています。
WF-1000XM3はタッチセンサーになっているので誤動作などが起きる場合がどうしてもあります。AirPods Proは上記画像で掴んでいる「うどん」の部分をカチッと押すことで操作できるので誤動作が起きません。
タッチセンサーだとトントンと触れた時の振動や音が伝わってくるときもありますし、AirPods Proの操作方法のほうが優れていると言えます。
比較6:ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリングに関しては一長一短あります。まず間違いなくノイズを消し去る能力はAirPods Proのほうが強いです。
吹雪いている外のなかも歩いて試しましたが、風切り音を一切感じさせず無音の室内で音楽を聴いているかのような快適さがあります。それなのに車の音なんかは控えめに拾ってくれるので、身の危険を及ぼすほどの完全無音とはならないのがポイントです。
とはいえ、ノイキャンが強くて逆に違和感を抱いたり嫌悪感を示す人もいるだろうなとは感じます。キーボードの打鍵音や袋をカサカサ動かす高めの音は結構がっつり拾います。
一方WF-1000XM3はノイズキャンセリングが弱いというより、耳栓をしたときに近い感じです。ナチュラルにノイズを抑制するといったところでしょうか。
イヤーピース自体の遮音性とも相まって、AirPods Proでは拾ってしまう高めの音も含めフタをしてくれます。家のなかで静かに作業したいときなどはWF-1000XM3のほうが自然に音が抑えられるので違和感がありません。
悪く言えば音の遮断力は弱いので、「ノイキャン全然効いてないじゃん」と感じる人がいてもおかしくないなと感じます。
ノイズキャンセリングのおいてはどちらが優れているかというより、ノイズの抑え方がそれぞれ異なるなという印象です。
比較7:外音取り込み
ノイズキャンセリングはAirPods ProとWF-1000XM3それぞれタイプが違っていて、それぞれの良さがありました。しかし外音取り込み機能に関してはAirPods Proのほうが優秀だと断言できます。
もちろんWF-1000XM3の外音取り込みも非常に優秀です。しっかりと必要情報を拾ってくれますし、風切り音を遮断するモードや外音取り込みレベルを調整する機能まであって作り込まれています。
ただAirPods Proと比べてしまうと、マイクで集音している作り物の音感が少なからず感じられます。それぐらいAirPods Proの外部音取り込みモードは直に耳が聴いているかのような感覚になるぐらい自然に音を取り込む能力に長けています。
AirPods Proの外音取り込み機能が優秀すぎます。
比較8:カスタマイズ性
AirPods ProはアプリではなくiPhone側の設定画面からボタンの操作を変えるぐらいなら可能です。カスタマイズの自由度としては広くなく、音の調整などはできません。
WF-1000XM3はボタン操作を細かく設定できる上に、なんと言ってもイコライザーで音の質感を自由に設定することができます。
イコライザーはWF-1000XM3の大きな魅了のひとつです。低音を強めたりボーカルを前に出したりと自分好みに設定して音楽を楽しむことができます。
さらに「接続優先モード」と「音質優先モード」に切り替えたり、音声ガイダンスのオン/オフや言語まで変更可能となっています。音を楽しむためのカスタマイズ性が豊富なのはWF-1000XM3の大きな魅力です。
比較9:音質
音の好みは人それぞれです。聴くジャンルでも変わってきます。しかし、それを踏まえてもWF-1000XM3のほうが音質はいいと感じました。
音楽を頻繁には聴かない、または音質を意識したことがない人はAirPods Proで満足できます。というか普通に音質は良いです。高音域は伸び切らないですが低中音域もハッキリと表現していますし、音の輪郭がぼんやりしていることで疲れにくい聴き心地にもなっています。
WF-1000XM3は音の輪郭をくっきりと出して鮮明に聴かせてくれて、それなのに重く感じさせないバランスが優れています。定位感もしっかりとしてますし音域に偏屈さもなく臨場感があります。音楽をしっかり楽しむという面ではWF-1000XM3のほうが長けているでしょう。
防水規格や大きさやらを犠牲にして、音質を求めて作られた完全ワイヤレスイヤホンだなと感じられます。
イコライザーで自分好みにカスタマイズできますし音質はWF-1000XM3の完勝です。というかAirPods Proだけでなく、他社の完全ワイヤレスイヤホンとと比べてもトップクラスの音質を再現しています。さすがSONY。
AirPods Proがおすすめな人
AirPods Proは生活の幅を広げてくれるイヤホンです。
AirPods Proがおすすめな人
- 優秀なノイズキャンセリングが欲しい
- iPhoneやiPadなどMacデバイスを持っている
- 落下の恐れがない安定感ある装着感が欲しい
- 音楽だけでなく様々な用途で使う予定
- 雨の日やジムでも気軽に使いたい
外出するとき、AirPods Proは必需品となりました。それぐらいノイズキャンセリングがもたらす静寂は優秀で、現時点ではAirPods Proにしかできない表現だなと感じます。
音楽を聴く気分じゃないときでも、静寂が欲しくてAirPods Proを使っているときがあるぐらい。
AirPods Proが気になったら詳細レビューも読んでみてください。
AirPods Proに関しての詳細なレビューは別記事にまとめてあるので、気になった人は参考にしてみてください。
WF-1000XM3がおすすめな人
WF-1000XMは音楽に没入させてくれるイヤホンです。
WF-1000XM3がおすすめな人
- SONYらしいデザインが気に入った
- 音質が良い完全ワイヤレスイヤホンが欲しい
- 強いノイズキャンセリングは怖い
- ジムや運動時には使う予定がない
- 音楽を楽しみたい
家で音楽を聴くときはWF-1000XM一択です。個人的な好みですがAirPods Proの輪郭のボヤっとしているよりもくっきりしているサウンドの方が断然好きなんですよね。こういった方は正直AirPods Proじゃ物足りない可能性があります。
便利に使いたいか、音楽を楽しむことをメインに使いたいかがAirPods ProとWF-1000XM3を分ける大きな境目といえます。
WF-1000XM3の詳細が気になった人は、ぜひレビュー記事をご覧になってください。
【AirPods Pro】と【WF-1000XM3】比較まとめ
AirPods ProとWF-1000XM3の比較をお伝えしてきました。
AirPods Proがおすすめな人
- 優秀なノイズキャンセリングが欲しい
- iPhoneやiPadなどMacデバイスを持っている
- 落下の恐れがない安定感ある装着感が欲しい
- 音楽だけでなく様々な用途で使う予定
- 雨の日やジムでも気軽に使いたい
WF-1000XM3がおすすめな人
- SONYらしいデザインが気に入った
- 音質が良い完全ワイヤレスイヤホンが欲しい
- 強いノイズキャンセリングは怖い
- ジムや運動時には使う予定がない
- 音楽を楽しみたい
優秀なノイズキャンセリングで静寂を感じつつ、使いやすさや用途の幅を広げるのであればAirPods Proのほうがおすすめです。防水性能もあるので雨天時の外出やジムでの利用もできます。
一方、WF-1000XM3は防水規格はないものの、優れたクオリティで音楽を楽しむことができます。イヤホン単体のバッテリー性能もAirPods Proより長いので、家での利用や晴天時の外出で長く使いたいひとにおすすめです。
AirPods ProもWF-1000XMもどっちも最高の完全ワイヤレスイヤホンだよ!
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